業務中に腰痛や腱鞘炎になったといって、すぐに「労災だ。」という方がおられます。
労災については、労働者の請求行為ですので上記が発症した場合に請求することは可能となります。
ただ、業務中に発症したことが、直ちに労災と認定されるわけではありません。
発症に疑義があれば労働基準監督署から発生状況の書面を求められたり、現場を確認に来られることもあり
ます。
監督署が認定しなければ、当然労災が使えませんので、発症後にかかった治療費を精算した上で、健康保険
に切り替えることとなり、大変な手間と一時的にお金が出ていきます。
この様な症状が発症したときは、先ず労働者を病院に搬送して治療をしてもらうことが先決ですが、少し痛み
が治まってから発生状況や既往症が無かったかなどを詳しく聞き取り調査をした上で、監督署の見解を確認す
ると良いと思います。
「そのような状況であれば認定は難しいかもしれませんね。」などと監督署の労災担当者から言われたのであ
れば、健康保険を先行して使用することも可能かと思います。
健康保険も業務中に発生した場合は、調査書類を送ってくることがありますが、いつ、どこの監督署の誰に確
認した上で健康保険を使用したと理由付けがしっかりできていれば、問題は生じないと思います。
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武藤社会保険労務士事務所